追悼 セルジオ・トッピ

編集部 (2012/08/27)

イタリアのマンガ家・イラストレーター、セルジオ・トッピ(Sergio Toppi)氏が、8月21日、ミラノにて死去していたことが、数日前に各メディアによって伝えられました。享年79歳、11月に80歳を迎える直前のことでした。

洒脱にして大胆なコマ構成と、ペンを縦横に駆使して描き出す印影が強い独特の作風で、世界各地の民族的なモチーフを描くことを得意としていました。日本にも強い関心を持ち、『短歌』(Tanka)など日本を舞台にしたマンガやイラストを多数制作しています。

同世代のユーゴ・プラット(Hugo Pratt)やグイド・クレパックス(Guido Crepax)らとともにイタリアを代表する作家の一人であり、またディノ・バッターリア(Dino Battaglia)とは特に深い親交がありました。

1950年代から複数の雑誌でイラストを発表。1957年にパゴット兄弟のアニメ制作スタジオで働きはじめ、人物設定、背景、脚本、演出など様々な仕事を経験。1960年、初のマンガ作品を Corriere dei Piccoli 誌で発表。1974年より Alter-Alter 誌にて Sharaz-De を発表、のちに高い評価を得ました。

2000年から2001年にかけてフランス国立図書館(BnF)と国立BD・映像センター(CNBDI)で催された「ヨーロッパBDの巨匠たち」展(Maîtres de la bande dessinée européenne)にて作品が展示され、2006年には『コレクター』(Le Collectionneur)シリーズがソリエ・ヴィルBD祭の最優秀シリーズ賞を受賞、2008年にはアングレーム国際BD祭にて大規模な展示が行われるなど、近年も高く評価されている作家でした。

慎んでご冥福をお祈りいたします。

主な著作(英語版)

Sharaz-de: Tales from the Arabian Nights

代表作のひとつ「Sharaz-De」の英語版、千夜一夜物語を題材にした作品。トッピは英語圏ではほとんど翻訳の無い作家であったが最近は評価の機運が高まっており、幾つかの作品の英訳が決まっている。

The Collector

代表作のひとつ「The Collector」の英語版、あまりシリーズ物を描かなかったトッピには珍しい全5巻のシリーズ物作品。

主な著作(仏語版)

Tanka

日本を題材にした作品を集めた本。フランスでも最近まで作品が刊行される事が少なかったが、現在Mosquito社より大規模な作品集の編纂、刊行が行われている。

Bestiaire

動物を題材にした作品を集めたイラスト集。

日本語版書籍
トッピは日本でも80年代に一度だけ作品が翻訳された事がある。現在古本でしか入手出来無いが一応紹介しておく。

冒険者たちの世界史、全24巻

ラルース社が企画した世界各国の冒険家、探検家のエピソードをマンガで紹介する歴史学習マンガの日本語版。トッピが作画しているのは7、13、21巻。またトッピの他にもグイド・クレパックス、ディノ・バッターリア、グイド・ブッゼーリ、マウリーヨ・マナーラ(ミロ・マナラ)などイタリアを代表する錚々たる作家が参加している。

参考