京都国際マンガミュージアムのシンポジウム2つ

cu39 (2009/01/07)

京都国際マンガミュージアムでは昨年10月から「フランス語圏のマンガ バンド・デシネの歴史と展開展」という展示が行われていることは以前紹介しました。この展示は現在も続いている(2月11日まで)んですが、来る1月11日(日)13:00からBDをテーマとしたシンポジウムが開催されます。

国際シンポジウム マンガ vs バンド・デシネ?! ラウンド3 (京都国際マンガミュージアム) シンポジウム詳細はページ下部

また翌12日(月・祝)13:00からは「最新の研究成果をもって『マンガ』というメディアが、国境や文化など様々な壁を越えうる可能性を持ったメディアであることを議論するシンポジウム」も催されます。

シンポジウム マンガは越境する (京都国際マンガミュージアム)


11日のBDを中心とするシンポジウムのほうは、「ラウンド3」と銘打たれている通りラウンド1(2008年5月)とラウンド2(2008年10月)に続くもので、今回は現役BDシナリオライターとして活躍するジャン=ダヴィッド・モルヴァン(Jean-David Morvan)が日本の若手BD研究者/翻訳者3名(野田謙介、猪俣紀子、原正人)を相手に語り合うという構図になりそうです。

日本側のメンバーは特にBDを専門とするメンバーが集まっていますので、フランスの作家が考えるBDの魅力だけでなく、日本人の視点から見たBDの魅力や、マンガとの共通点と違い、輸入・翻訳に関わる問題点など日本との関わりについてもより具体的な話を期待できそうです。

12日は、第1部として「BSマンガ夜話」でおなじみの村上知彦が「1970年代のマンガ」を主題とする基調講演を行い、第2部では、一木順、本浜秀彦という地域に根差したメディア表象の研究者とジャクリーヌ・ベルント、大城房美、伊藤遊というマンガ研究者が、「『ボーダーレス=境界線を消し去る』ものではなく、『境界を越える=越境する』もの」としてのマンガを議論するそうです。マンガ学の枠内にとどまらず、幅広い議論が行われそうです。

個人的には、アメリカや沖縄という、様々な文化が行き交う地域を研究フィールドとする方が「マンガ」の「越境」する性質をどう捉えているのか、興味深いところ。どうして色々な地域の人がマンガを好きになれるんだろう。

11日のシンポジウムが「輸入」に関わるとすれば、12日は「輸出」に関わる内容になりそう。併せて聴くと「マンガ・BD貿易」への視野が拓けそうですね!

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