アングレーム国際漫画祭2012 受賞リスト

編集部 (2012/01/30)

 

アングレーム国際漫画祭2012の受賞リストを速報でお伝えします。

Prix du meilleur album 2012 最優秀作品賞

Chroniques de Jérusalem (『エルサレム時評』)

Chroniques de Jérusalem (『エルサレム時評』)

著者Guy Delisle (ギィ・ドゥリール)
出版社Delcourt
あらすじ

深圳、平壌、ビルマに続いて、ギィ・ドゥリールがエルサレムを訪れる。ルポルタージュBD作家の新作。

ポイント邦訳にアニメ制作のため北朝鮮を訪れた時の体験記『マンガ 平壌』(明石書店)がある。

Grand prix de la ville d’Angoulême グランプリ(功労賞)

Jean-Claude Denis(ジャン=クロード・ドゥニ)

1951年1月1日パリ生まれ。1974年、国立高等装飾美術学校卒。イラストレーターとしてキャリアを開始。本のカバーや広告の仕事をしていくうちにBDを描くようになる。1978年、Pilote誌にAndré le Corbeau (『カラスのアンドレ』) が掲載されデビュー (アルバムはDargaud社から)。1980年から (À suivre) 誌でLuc Leroiシリーズを連載開始。4作目にあたるLe Nain jaune (1986) がアングレーム国際漫画祭で読者賞 (Prix du Public) を獲得。
※グランプリに選ばれた作家は来年のアングレーム国際漫画祭、審査委員長になります。

Prix spécial du jury 審査員特別賞

Frank et le Congrès des Bêtes (『フランクと動物会議』)

Frank et le Congrès des Bêtes (『フランクと動物会議』)

著者Jim Woodring (ジム・ウードリング)
出版社L’Association
あらすじ

米国オルタナティブコミックの巨匠ウードリングの代表作「フランク」シリーズ第5弾。フランクが地下世界と水の上をあてどなくさ迷う。

ポイントフランクシリーズはPRESSPOP INCより邦訳が多数出版されている、今作は昨年末に出た総集編の『フランク白黒ストーリーズ』(PRESSPOP INC)に収録されている模様。

Prix de la BD Fnac BDフナック賞

Portugal (『ポルトガル』)

Portugal (『ポルトガル』)

あらすじ

BD作家のシモン・ムシャは、創作意欲を失い、これといった企画もなく、なんとなく日々を過ごしている。恋人のクレールはそんな彼の様子を見ていらいらするばかり。やがて彼は、ひょんなことから祖父の故郷ポルトガルを訪れることになる。その旅を通じて、彼は家族を再発見し、再生するための気力を見出すことになる。

ポイントペドロサは『ユーロマンガ vol.3』(飛鳥新社)にて『抵抗』と言う短編が邦訳されている。

Prix de la série シリーズ賞

Cité 14 saison 2, Tome 1 (『都市14』第2部第1巻)

Cité 14 saison 2, Tome 1 (『都市14』第2部第1巻)

著者Romuald Reutimann & Pierre Gabus (ロミュアルド・ルティマン&ピエール・ガビュス)
出版社Les Humanoïdes Associés
あらすじ

1冊1ユーロのリーフレットを毎月発売するという出版形式で話題になった作品のセカンドシーズン。動物と人間が共存する世界のある事件を描く。

Prix Intergénérations 世代間賞

『乙嫁語り』第1巻 (仏題:Bride Stories T1)

『乙嫁語り』第1巻 (仏題:Bride Stories T1)

著者森 薫
出版社Ki-Oon/エンターブレイン

Prix Regard sur le monde 世界の視線賞

『劇画漂流』第2巻 (仏題:Une vie dans les marges T2)

『劇画漂流』第2巻 (仏題:Une vie dans les marges T2)

著者辰巳 ヨシヒロ
出版社Cornélius/青林工藝舎

Prix de l’audace 果敢賞

Teddy Beat (『テディ・ビート』)

Teddy Beat (『テディ・ビート』)

著者Morgan Navarro (モルガン・ナヴァーロ)
出版社Les Requins Marteaux
あらすじ

見た目はかわいい青いクマのようなキャラクターのお下劣な冒険を描く作品。

Prix Révélation 新人賞

TMLP : Ta mère la pute (『オマエの母ちゃん売女』)

TMLP : Ta mère la pute (『オマエの母ちゃん売女』)

著者Gilles Rochier (ジル・ロシエ)
出版社6 pieds sous terre
あらすじ

70年代初頭のパリ郊外。少年たちは徒党を組んでバカなことばかりしていた。ただし、バス停の近くを除いて。そこでは母親たちが売春をしているという噂だった。甘く苦い少年時代の思い出。

 

公式セレクション以外の受賞作

Prix Jeunesse 子ども向け作品賞

Zombillénium, Tome 2(『ゾンビレニアム』 2巻)

著者 Arthur De Pins(アルチュール・ド・パンス)
出版社 Dupuis
ポイント ド・パンスはユーロマンガ4号』にて『かわいい罪』という作品が抄訳されている。

Prix polar SNCF フランス国鉄・ミステリ作品賞

Intrus à l’étrange(『奇異なるものへの闖入者』)

著者 Simon Hureau(シモン・ユロー)
出版社 La Boîte à Bulles

Prix Polar mention spéciale du jury ミステリ作品部門 審査員選外特別賞

La faute aux chinois(『中国人のせい』)

著者 François Ravard & Aurélien Ducoudray(フランソワ・ラヴァール&オーレリアン・デュクードレ)
出版社 Futuropolis

Prix Patrimoine 遺産賞

Prix de la bande dessinée オルタナティブBD賞

“KUS!” No.9 (KUS! 9号)
ラトビアのリガで編集されている定期刊行誌