ある3秒間の間に起きた出来事を微分的に描く実験的な作品。

砂漠で目を覚ましたヴェルロックは、記憶を失ってしまったことに気づく。猿のような容姿をしたロボットが彼が何者であるかを明かすが…。

エディ・キャンベルの半自伝的な作品。1970年代のイギリス。肉体労働にいそしむ若者の青春を描く。

シンガポール在住のフランス人女性カミーユは不幸な事故で母を失う。彼女は父親と思しき人物と出会うために、アフリカのアンゴラに向かうが、彼女を待ち受けていたのは、思いもかけない出来事だった。

とある芸術祭に招かれた芸術家のピーター・ジャンが、芸術愛好家たちの奇行に翻弄される。

ポルポト派がプノンペンを制圧した1975年4月のカンボジア。動乱に巻き込まれるある家族の目を通して、この革命を眺める。

20世紀初頭に生まれ、90歳にして老人ホームの4階から飛び降りた、アントニオ・アルタリバの父親の物語。

アフリカのとある国の王子アタル＝ギュルは、フランス人に買われ、奴隷としてジャマイカに連れて行かれる。彼はじっと復讐の時をうかがっていた…。

醜い娘、モリュは、ある日、魔法にかけられた妖精を救い、お礼に美貌を授けられるが……。

忘却の淵に追いやられた実在の歌手ロラン・アヴェリの伝記BD。

深圳、平壌、ビルマに続いて、ギィ・ドリールがエルサレムを訪れる。ルポルタージュBD作家の新作。

1冊1ユーロのリーフレットを毎月発売するという出版形式で話題になった作品のセカンドシーズン。動物と人間が共存する世界のある事件を描く。

鳩時計の製造会社「クークー・ブゾン」に入社し、奇妙な同僚たちに振り回されるリシャールのシュールな日常を描く。

1943年、16歳でドイツのフランス占領を経験したアルベールは、共産主義思想に心の拠り所を求める。戦後、みじめな境遇を逃れるかのように軍隊に身を投ずる彼だが、インドシナで、「自由」の名のもとに行われる過酷な現実を目撃することになる。

ラリーとアリスは同じ小さな町に住む30代の男女。ラリーには宇宙飛行士になるという夢があったが、そんなことは現実的には不可能。アリスはこれといった生きがいもなく、ただ坦々と日々を過ごすだけ。やがてこの二人が出会い…。

恋人を亡くしたギター少年Dは、その悲しみを癒すため、海辺でギターを演奏する。友人がその演奏をラジオに流したのがきっかけで、やがて彼の演奏が町中の評判になる。

作者は世界中を旅し、各地でラグビーを通じ、人々との交流をはかってきた。ラグビーを通じて眺める世界の相違。

ある売れない小説家がフランスで最も権威のある文学賞のひとつゴンクール賞を目指し奮闘する姿をコミカルに描く。

動物たちの墓地跡に建造された巨大な遊戯プール施設。相次ぐ不思議な出来事の秘密は水中の奥底にあるようなのだが…。

米国オルタナティブコミックの巨匠ウードリングの代表作「フランク」シリーズ第5弾。フランクが地下世界と水の上をあてどなくさ迷う。

若干16歳でイギリス軍に入隊し、第一次大戦まっさかりのフランスに送られたある少年の物語。

物語の舞台はアラビア。ある学者のもとに金で売られた少女ドドラ。彼女は処女を失うが、それと引き換えに物語を読み、語る喜びを得る。やがて学者は盗賊たちに殺され、ドドラは奴隷の身分に。子どもが生まれると、二人は一緒にその境遇から逃げ出し、冒険に身を投ずることになる。

BD作家のエティエンヌ・ダヴォドーとブドウ栽培農家のリシャール・ルロワが互いの職業について学ぶ。BD入門にしてワイン入門。

グウェニーは海辺で宝の地図が入った瓶を見つける。しかし、それは5年前に失踪した父が見つけたのとまったく同じ地図だった。地図が示す島に出かける彼女だが、驚くべき出来事が彼女を待ち受ける。

管理社会の中で居場所を見つけるために登録をしなければならないカロリーヌという少女の違和感を描いた作品。

ジョナタンはかつて北ビルマで出会った女性アツコと日本で再会する。彼らは共にある古い家族について調査に乗り出す。

さまざまな事物に姿を変えた少年と少女が、互いを求め合い、見つめあい、やがて出会うことになる。

大災害後の世界。生き残ったわずかな人々が、数少ないオアシスに集まる。その中の二人、ジュリアとロエムが、何世紀も昔、シェイクスピアが想像した物語とそっくりの悲恋を生きることになる。

暴力と狂気が支配するとある世界。軍隊の中尉レモン・ジェファーソンはある女性と老人を助けたことから、奇妙な事件に巻き込まれることになる。

1948年、イスラエル。建国したばかりのこの国を敵国から守るため、国はさまざまな傭兵を雇うことになる。ある傭兵の愛の物語。

人間のモウグリがジャングルの中でオランウータンに出会う。その仕草はまるで人間そっくりで…。セリフのないサイレントBD。

共通の友だちを介して出会ったナタリーとマーシャル。やがて二人は心を通わせ始めるが、と同時にマーシャルの思念が物語りに影響を及ぼし始める。

子どもが欲しいが、同時にそのことを怖がってもいる女性の話。彼女の心は他社への愛に溢れているのだが、それをうまく表現することができず、兄の死により心に傷を負う。

ベルギーのBD作家がアメリカはバーモント州ホワイト・リバー・ジャンクションにあるコミックス研究センターに1年間滞在することになった。実体験に基づく異文化交流を描いた作品。

バレリーナを目指すポリーナ。ある教授が彼女の才能を認め、彼女を大切に育てていくが、やがて彼女は自ら決断し、別の道を歩むことになる。ポリーナの挫折と成長を描く作品。

BD作家のシモン・ムシャは、創作意欲を失い、これといった企画もなく、なんとなく日々を過ごしている。恋人のクレールはそんな彼の様子を見ていらいらするばかり。やがて彼は、ひょんなことから祖父の故郷ポルトガルを訪れることになる。その旅を通じて、彼は家族を再発見し、再生するための気力を見出すことになる。

稀代のシネフィルである作者による虚実をからめたシネアストへのオマージュ。

12人の人間が突然誘拐され、奇妙な実験が行われる。彼らはそれぞれ自分たちが誘拐された理由を探ろうとするが…。

不動産撮影師ジュリアス・クニップル。今日も彼は飽くことなく建物をレンズに収めるために幻想のニューヨークを行く。

地球全体に新種の狂犬病のような伝染病が広がる。この伝染病にかかるのは子どもだけであり、罹病すると、まるで血に飢えたゾンビのように攻撃的になる。子どもたちは組織的に大人たちを攻撃する。大人たちは子どもたちと戦う選択を迫られる。

ジョー・サッコによる世界中の戦地のルポルタージュ・コミックス。さまざまな雑誌に掲載された短編のアンソロジー。世界に先駆けてフランスで出版。

動物たちを主人公にしたファンタジー。ヴァイキングにさらわれた乙女たちを救うべく、二人は冒険の旅に出る。

核戦争後、世界はまるで地獄のような風景と化した。生き残った人類は、「猿」と呼ばれるミュータントたちから身を守るために、ユマニュルガと呼ばれる巨大な壁の奥へと立てこもることになる。

原初、世界は力に満たされていた。やがて人間の登場とともに、力はさまざまな形に分割されることになる。その時からはや千年の年月が流れ、今や力の存在は忘れ去られてしまっている。その世界にある強力な国家が誕生する。人間たちは無力という隷属状態から脱することができるのか？

あるパーティーでドラッグとアルコールに溺れる5人の若者を描く作品。

70年代初頭のパリ郊外。少年たちは徒党を組んでバカなことばかりしていた。ただし、バス停の近くを除いて。そこでは母親たちが売春をしているという噂だった。甘く苦い少年時代の思い出。

見た目はかわいい青いクマのようなキャラクターのお下劣な冒険を描く作品。

福岡県の唐の原にティーチング・アシスタントとして赴任したあるアメリカ人教師の奮闘と当惑を描く作品。

ちょびヒゲの教授が、次々に寄せられるバカバカしい質問に答えていく。

もしコウノトリが赤ちゃんを届けることができなくなってしまったら？　ウサギとアヒルとブタが協力しあって、この難しい任務に立ち向かうことになる。

マチューは18歳。バカロレア(大学入学資格試験)に合格したばかりで、明日故郷の町を去り、パリに行くことになっている。その夜、彼は仲間たちと飲み明かす。それはこれからの人生の通過儀礼とでも言ってよさそうな夜だった。これから大人になろうとする若者が直面する期待と幻滅。

昨年完結したクリスタン＆メジエールの古典SFシリーズ『ヴァレリアン』を、今をときめくBD作家マニュ・ラルスネがカバー。

現在過去未来をつなぐ壮大なSF作品の最終巻。