邦訳バンドデシネ・ガイド 2011年版

ベデくん (2011/11/01)

こんにちは、またまたベデくんだベデ!

以前邦訳バンドデシネ・ガイド 2010年版と言うのを書いたベデが、昨年に引き続き今年も邦訳バンドデシネ(以下BD)は絶好調ベデ~!
「これはまとめておかないとまたみんな判らなくなっちゃう!」という事で今年もどんどん出版される作品をまとめちゃうベデよ!


【2011年に邦訳された作品】

『アランの戦争 アラン・イングラム・コープの回想録』(国書刊行会)
BDコレクション第3弾、その静かな語りと超絶技巧をご堪能あれベデ。

『Le Petit Monde 3 la casa feliz』(集英社)
日本人作画家とフランス人原作者のコラボ作品、ついに最終巻ベデ。

『レヴォリュ美術館の地下―ルーヴル美術館BDプロジェクト』(小学館集英社プロダクション)
ルーブル美術館BDプロジェクト第2弾、去年京都マンガミュージアムのイベントにも来日してくれたマチュー先生の作品ベデ!

『星の王子さま バンド・デシネ版』(サンクチュアリ出版)
以前このブログでも大西愛子さんがレビューを書いてくれて、邦訳が待ち望まれていたスファール先生の傑作がついに日本語版登場ベデ!

『岸辺露伴ルーヴルへ行く』(集英社)
ルーブル美術館BDプロジェクトの第5弾として、日本の漫画家さんから荒木飛呂彦先生が抜擢されたベデ!

『ユーロマンガ vol.6』(飛鳥新社)
本誌は一旦休載して来年春より再開予定らしいベデが、秋からは単行本の出版に力を入れて日本へのBD紹介をますます盛り上げてくれるベデ!

『皺』(小学館集英社プロダクション)
新進気鋭のスペイン人作家による、認知症の問題を扱った意欲作ベデ!

スマーフ(小峰書店)
『スマーフ危機いっぱつ!』
『キングスマーフ』
『いとしのスマーフェット』
若い女の子に人気の急上昇中のスマーフの邦訳が装いを新たに発売!なんと続きも刊行予定らしいベデ!

『ル・グラン・デューク』(イカロス出版)
第二次大戦中のドイツ軍パイロットとソ連軍女性パイロットとの戦いを描いた戦記BDベデ、緻密な描写が素晴らしいベデ!

『ピノキオ』(小学館集英社プロダクション)
2009年のアングレーム国際漫画祭で最優秀作品賞に輝いたオルタナティブBDの怪作ベデ!

『エデナの世界』(ティー・オーエンタテインメント)
アンカルと並ぶメビウス先生のもう一つの代表作も出版が決定ベデ!

『モンスター』(飛鳥新社)
以前一巻だけ出版された『モンスターの眠り』(河出書房新社)、シリーズ全四巻が合本の完訳で出るベデ!

『闇の国々』
スクイテン×ペータースによるBDを代表するシリーズがついに邦訳ベデ!


【その他、今年のBD関係の出版物】

『アライバル』(河出書房新社)
オーストラリアの作家さんが描いた傑作サイレントマンガ、2008年度アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞受賞作ベデ!

『タンタンの冒険 PB版』(福音館書店)
BDの古典にしてキング・オブ・BDのタンタンが、今年公開の映画に合わせてペーパーバックの廉価版で登場ベデ。4月から偶数月に6冊づつ刊行中ベデ。(6冊をまとめたケース入りセットも販売してるベデ)

4月発売分 『青い蓮』『黒い島の秘密』『金のはさみのカニ』『ふしぎな流れ星』『なぞのユニコーン号』『レッド・ラッカムの宝』『ケース入り6冊セット 1』
6月発売分 『タンタン アメリカへ』『ファラオの葉巻』『かけた耳』『オトカル王の杖』『ななつの水晶球』『太陽の神殿』『ケース入り6冊セット 2』
8月発売分 『タンタンのコンゴ探検』『燃える水の国』『めざすは月』『月世界探検』『紅海のサメ』『カスタフィオーレ婦人の宝石』『ケース入り6冊セット 3』
10月発売分 『タンタン ソビエトへ』『ビーカー教授事件』『タンタン チベットをゆく』『シドニー行き714便』『タンタンとピカロたち』『タンタンとアルファアート』『ケース入り6冊セット 4』

『タンタンの冒険 限定コレクターズBOX』(福音館書店)
PB版とは違う、ハードカバーで合巻の豪華な限定コレクターズBOXも発売されるベデ。

 

【現在入手可能な邦訳BD】

<飛鳥新社>
『ユーロマンガVol.1~5』
(公式サイト)
バンドデシネを専門に掲載する雑誌ベデ、連載以外にも読みきりやBD関連情報など、BDに興味を持ったら是非読んでおきたい本ベデ!
『天空のビバンドム』
(公式サイト)
家にある全ての画材を使ったと言う、アート系BDの最高峰ベデ。
『B砂漠の40日間』
メビウス先生のモノクロ画集、下書き無しの一発描きらしいベデ、神がかってるベデ!

<国書刊行会>(BDコレクション公式サイト)
『イビクス ネヴゾーロフの数奇な運命』
『ひとりぼっち』
『アランの戦争 アラン・イングラム・コープの回想録』
新世代のモノクロでページ数の多いBDを集めたシリーズ、マニアックだけど読み応え十分の良作そろいベデ!

<小学館集英社プロダクション>
『氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト―』
ルーブル美術館とBD作家のコラボ作品第1弾、描いてるのはビバンドムのド・クレシー先生ベデ!
『アンカル』
20数年前に1巻だけ出た、メビウス×ホドロフスキーによる幻の作品が全6巻収録の完全版で登場ベデ。

<くらしき絵本館>(公式サイト)※アマゾンでは取り扱っていないので出版社のサイトからお買い求め下さいベデ。
『ピエールとジャンヌのパパ!お話しして!』
『オリブリウスのゆかいな冒険』
岡山の小さな出版社が出してる子供向けBD、この本を出すために出版社を立ち上げたらしいベデ!

<集英社>
『Le Petit Monde 1 Vamos Vamos!』

『Le Petit Monde 2 Real Favela』
『Le Petit Monde 3 la casa feliz』
日本人漫画家がフランス人原作者と組んでBD界に殴り込みをかけた、新しいタイプのBD。全3巻ベデ!

<明石書店>
『大発作』
近年興隆しているオルタナティブBDを代表する傑作ベデ。
『マンガ 平壌』
アニメーターとして北朝鮮に行った人のルポルタージュBD、フランスのアニメは北朝鮮で作ってるベデ!
『刺繍 イラン女性が語る恋愛と結婚』
ペルセポリスの作者によるイランの女性達の赤裸々エッセイ風漫画ベデ。

<その他の出版社>
『ブラックサッド 黒猫の男』(早川書房)
『ブラックサッド 凍える少女』
黒猫の探偵ブラックサッドが繰り広げるハードボイルドBD。単行本は2巻までで3巻以降はユーロマンガに掲載(ユーロマンガ1、2号に3巻分を掲載、3、4号には2ページの短編、5、6号に4巻分を掲載)されてるベデ。

『ペルセポリス1 イランの少女マルジ』(バジリコ)
『ペルセポリス2 マルジ、故郷に帰る』

作者本人によりアニメ映画化もさられた自伝的BDベデ。

『失われた時を求めて フランスコミック版 第1巻 コンブレー』(白夜書房)
『失われた時を求めて フランスコミック版 第2巻 花咲く乙女たちのかげに1 海辺への旅』
プルーストの超難解古典をBD化、残念ながら邦訳は途中で止まっちゃってるベデ。

『O嬢の物語 1、2』(エディシオントレヴィル)
イタリアコミック界の巨匠グィド・クレパックス先生が、エロティック文学をコミカライズした作品ベデ。

『おてんばルル』(河出書房新社)
あの有名なイブ・サンローランが若い頃に書いた作品ベデ。

『M.ヴィユ・ボワ』(オフィスヘリア)※出版社のサイト以外にアマゾンマーケットプレイスでもお買い求めいただけますベデ。
近代漫画表現の始祖と言われるテプフェールの作品、今読んでもとっても面白いベデ!

関連書籍】

『フランスのマンガ』(論創社)
比較的わかりやすくBDの歴史などを解説している本ベデ。

『BD 第九の芸術』(未知谷)
主にオルタナティブ系のBDを中心に歴史なども紹介している本ベデ。

『線が顔になるとき―バンドデシネとグラフィックアート』(人文書院)
BD研究者による漫画研究本その1、BDの情報が満載ベデ!

『マンガのシステム  コマはなぜ物語になるのか』(青土社)
BD研究者による漫画研究本その2、BDの情報が満載ベデ!